大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和46年(ク)311号 決定 1971年11月10日

主文

本件抗告を却下する。

抗告費用は抗告人の負担とする。

理由

最高裁判所が抗告に関して裁判権をもつのは、訴訟法において特に最高裁判所に抗告を申し立てることを許した場合に限られ、民事事件については、民訴法四一九条ノ二に定められている抗告のみが右の場合に当る。

したがつて、高等裁判所が民訴法三九九条一項一号により却下した決定に対しては最高裁判所に対して即時抗告をなすことは許されない。それゆえ、本件申立は民訴法四一九条ノ二所定の抗告の申立と解すべきところ、抗告理由は違憲をいうも、その実質は単なる法令違背の主張に過ず、同条所定の場合に当らないと認められるから、本件抗告を不適法として却下し、抗告費用は抗告人に負担させることとし、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 岡原昌男 裁判官 色川幸太郎 裁判官 村上朝一 裁判官 小川信雄)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例